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MOVIE 2018.8.27
映画ドラえもん のび太の宝島
日本映画(2018年)
監督:今井一暁
出演:水田わさび, 大原めぐみ, 長澤まさみ, 大泉洋
大人になってのリアルタイム・ドラえもんで涙。
6歳の息子に連れて行けとせがまれて映画館へと足を運んだ「映画ドラえもん」シリーズの第38作目。第13作目「のび太と雲の王国」までは小学生としてリアルタイムで見ていたものの、そこから中学高校大学社会人と大人の階段を上がるにつれて離れていたこのシリーズ、数えてみると26年ものスパンをあけての鑑賞です。「ドラえもん観たいの?いいよ連れてってあげるよ」と軽い気持ちで息子に返事をして、軽い気持ちでイオンシネマにでかけ、軽い気持ちでチケットを買って、軽い気持ちでシートに腰掛け、見ました。
声優の交代があってから初めてまともに見た新世代のドラえもん。驚いたことがふたつありました。ひとつめは、いつのまにか自分が「のび太のパパ」に感情移入して見ていたこと。のび太のママがのび太を叱るのを、いいじゃないかそんなに目くじら立てなくても…と思ってみたり、のび太がんばれよもっと自分のやりたいことをやれよ…と思ってみたり。そしてもうひとつ、終盤で泣いてしまったことです。6歳の息子が?いえ、38歳の僕が。
あらすじは、いつもの通り。冒険にでかけるのび太とドラえもん、しずかちゃん、スネ夫、ジャイアン。そこに敵が現れ、出会いがあり、そして冒険で大切なものを守って、またいつもの日常の暮らしに帰る。冒険のテーマが宝島でなくても、宇宙でも古代でも魔界でも海底でも、その構成はいつもと一緒。でも違うのは、この映画、確実に大人の”落としどころ”を狙っている!(脚本は川村元気のオリジナル作品ということを後で知ってなんとなく納得。ドラえもんの映画が好きな人が、エンターテイメント的解釈を強めてドラえもんの映画らしい映画として再構築した、という感じでした)。
軽い気持ちで見に行ったはずが、心揺さぶられ、すこぶる満足して、子どもよりもお腹いっぱいになって帰ってきたのでした。この「のび太の宝島」、8月末にDVD化されるそうですよ。ちなみにいちばん好きなドラえもんの映画は「のび太の小宇宙戦争」。しょううちゅうせんそうではなく、リトルスターウォーズね。好きなひみつ道具は「日本誕生」に出てきた「畑のレストラン」。地面に植えると一年中好きな料理を食べられる種です。
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BY MASASHI FUJITA
藤田雅史
1980年生まれの36歳。デザインなどフリーランスのクリエイティブ仕事のかたわら、小説、戯曲、散文詩、ドローイングなどの創作活動。これまで、演劇公演への戯曲提供の他、「新潟美少女図鑑」コラボ小説、BSNラジオドラマ脚本を担当。縁あって今年度よりNajilaboのCDにも就任。ウディ・アレンくらい現役で長生きしたい。
HP:http://025stories.com/main/