- ホーム
- アート
- シネマ気分
MOVIE 2017.10.10
フーリガン
Green Street Hooligans|イギリス映画(2005)
監督:レクシー・アレクサンダー
出演:イライジャ・ウッド、チャーリー・ハナム、クレア・フォーラニ
選手だけが、主役じゃないぜ!
1993年に開幕した日本プロサッカーリーグ「Jリーグ」。フィールドを駆け抜けゴールを生みだすプレイヤーや彼らのトリッキーなパスワークに、サポーターたちはテレビの前やスタジアムで大いに盛り上がりました。逆転ゴールを決めようものならば、その選手はもちろんMVP。取材陣に囲まれフラッシュの嵐。サポーターからは拍手と歓声が送られ、一夜にしてスタジアムの主役に。でも、考えてみてください。もしもスタジアムに誰もいなくて、ホームチームとアウェイチームだけが芝生の上で必死に戦っていたとしたら。きっとそれは、プロであっても草サッカーになってしまいます。そう、サポーターの熱狂こそが、選手を主役に引き上げるのです。この映画は、イギリスの熱狂的なフーリガンの世界に魅せられていく青年を追った青春ストーリー。ジャーナリスト志望のアメリカ人青年マット(イライジャ・ウッド)は、ルームメイトにより麻薬販売の罪を着せられ、卒業間近にしてハーバード大学を退学処分となってしまします。居場所をなくしたマットは、姉のシャノン(クレア・フォーラニ)を頼りロンドンへ。そこで出会ったのが、サッカー・プレミアリーグと、ウェストハム・ユナイテッドの熱狂的サポーターだったシャノンの夫の弟ピート(チャーリー・ハナム)。実は彼こそが、国中でもっとも畏怖される集団となることを目指すフーリガン・ファーム「グリーン・ストリート・エリート(GSE)」のリーダー。この作品は、アドレナリンの高まりに興奮を抑えられないサポーターが主役の物語なのです。相手側のフーリガンを叩きのめしたシーンでのThe Stone Roses「I Wanana Be Adored」に、テンションが上がった人も多いはず。 スポーツに熱狂し、愛し、全てを捧げて応援するも、どこか違う方向へ進んでしまう青年たち。弱小チームが頑張って強くなり、No.1になるようなスポーツ映画ではないけれど、大切なのはチームもサポーターも同じ方向へと進んでいくことなのかなって。