- ホーム
- アート
- シネマ気分
MOVIE 2018.5.21
三大怪獣 地球最大の決戦
日本映画(1964年)
監督:本多猪四郎 特技監督:円谷英二
出演:夏木陽介、星由里子、若林映子
怪獣スター共演の豪華エンターテイメント作品
ゴジラ、モスラ、ラドンという、これまでの東宝怪獣映画で主役を張った怪獣たちが一堂に会した豪華版が本作「三大怪獣 地球最大の決戦」です。ネタバレしない程度のあらすじを紹介しましょう。極秘来日するはずだったセルジナ公国王女の乗った飛行機が墜落、その数日後、金星人を名乗る謎の美女が現れ地球の危機を予言します。金星人の予言通りに次々と現れるラドン、ゴジラ…そして、地球最大の危機となる宇宙の破壊神キングギドラ。主人公の刑事たちはインファント島からモスラを呼び寄せ、地球を守るためにキングギドラを倒そうとするのですが…。怪獣映画とはいえ、「ローマの休日」をリスペクトしたロマンスや、スパイ映画のようなサスペンスなど、あらゆるエンターテイメントの要素を含んだストーリー展開で最後まで飽きずに見ることができるのが本作の特徴。もちろん、4体の怪獣が映画のスクリーン狭しと、富士山をバックに死闘を繰り広げるシーンは圧巻です。本作が初登場となる悪役キングギドラは迫力満点で、地球を代表する3体の怪獣を相手に大立ち回りを見せてくれます。個人的に、この作品で最もテンションが上がるシーンはキングギドラによる都市破壊。巨体が大きな翼を羽ばたかせて空を飛び、動き回る3つの首から破壊光線を吐き散らします。このシーンには、翼や尻尾、3つの首を動かす操演技術、そして破壊光線の動きを描く光学合成技術、光線によって爆破される建物などの弾着技術といった様々な特撮技術が駆使されていて、それら全てのタイミングがぴったり合った名シーンなのです。特撮シーンを生かすも殺すも、やはり呼吸やタイミングが鍵を握っていると感じさせられます。人類の脅威だったはずのゴジラですが、この作品ではモスラ、ラドンと共に宇宙からの敵キングギドラ撃退に立ち上がり、これ以降の作品ではしばらくの間地球を守るヒーローの立場へとシフトしていきます。良くも悪くもエポック的なエンターテイメント作品だと思いますので、特撮映画はあまり観たことがないって方にも観ていただきたい作品です。