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MOVIE 2018.4.16
ミスト
The Mist|アメリカ映画(2007年)
監督:フランク・ダラボン
出演:トーマス・ジェーン、ローリー・ホールデン、マーシャ・ゲイ・ハーデン
後味の悪いバッドエンドが待っている
「周りが見えない」「先が見えない」そんな状況に陥った人々の恐怖を描いた、ホラーテイストを含んだパニック映画です。「見えない」ということが、いかに「不安」を駆り立てるのか。そんなテーマに挑んだのはフランク・ダラボン。スティーヴン・キング原作「ショーシャンクの空に」「グリーンマイル」の2作品でもメガホンを取った監督です。今回の「ミスト」では、過去2作品では見ることのなかった、じわじわ来るような恐怖演出が冴えています。夜中に激しい嵐が街を襲った翌日、画家のデヴィッドと息子のビリーは、街全体を包み込む濃い霧のため、買い物に行ったスーパーマーケットの店内に閉じ込められてしまいます。数メートル先も見えない霧の中には、得体の知れない「何か」が存在し、突然大きな揺れに見舞われたり、店外に出た人が次々と姿を消したり、シャッターの隙間から見たこともない生物の一部に襲撃されたりと、「見えない」中での恐怖を次々と体験していきます。恐怖に耐え切れず外に出て行ってしまう者、みんなを先導して暴動を煽る者、心の拠り所を求め狂信的な意見に従う者など、周囲の見えない閉鎖された空間で群衆がどのように行動し、パニックに陥るのかを生々しく描きながら、物語はクライマックスへと向かっていきます。霧の正体や、その中にいた者の正体が、想像をはるかに超えていたことも衝撃的だったのですが、何といってもこの作品はエンディングが話題になりました。原作とは違う、ショッキングなエンディングには賛否両論あり、「最も後味の悪い映画作品」「見終わったあとで鬱になる」という声も。その結末について私が強く感じたのは、「どんな絶望的な状況でも最後まで可能性をあきらめず、希望を持ち続けることが大切なんだなぁ」ということ。皆さんは、この結末に対してどんな感想を持つでしょうか?