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となりのトトロ

MOVIE 2018.10.1

となりのトトロ

日本映画(1899年)
監督:宮崎駿
出演:日高のり子、坂本千夏、糸井重里

もうあの頃のトトロじゃないんだ。

子どもの頃は仮面ライダーとかウルトラマンにあまり興味がなく、どちらかといえばディズニーやルーニー・テューンズなどのアメリカアニメ、ジブリなどをよく観ていた。だから「となりのトトロ」なんて、当時のビデオテープが擦り切れるくらい観ていたと思う。懐かしのVHSってやつです。あれからちょっとした青春時代を過ごし、大人になって、結婚して子どもが生まれて。かれこれ20年以上が経った今、金曜ロードショーだったかで放送していた「となりのトトロ」を子どもが録画していたので一緒に観ていた。馴染みのある田舎風景に、どこかクセのあるメイちゃんの声。何回も観て聴いた世界がやはりそこに広がっていた。話は変わるが、以前、久石譲のコンサートに行ったことがある。「Summer」「Oriental Wind」などの名曲に加えて、もちろんこの映画で使われた「風の通り道」も同様に演奏された。サツキとメイ、トトロたちが背伸びをしながら植えた種を成長させ、大きな大木へと成長を遂げるシーンで使われた曲だ。曲自体もそうだが、このシーンはトトロの映画の中で最も好きなシーンでもある。子どもと観ている中で、このシーンになると三歳の息子が真似をしながらテレビの前で背伸びをしている。昔観ていた自分の姿、久石譲のコンサートでの感動、目の前で我が子が真似ている可愛さが合わさり、幾度となく観てきたあの「となりのトトロ」が違った見え方をした瞬間だった。例えば味覚が変わって山菜の苦みがおいしく感じられるようになるなど、大人になってから物事の見え方、感じ方などが変わることはしばしばあるが、今までの経験と目の前の光景が重なり違ったとらえ方で「となりのトトロ」を観られるようになった。ストーリーについては多くを語ってはいませんが(ほとんどの方が観たことがあると思うので)、昔馴染みのある映画をまた観返してみるのも、懐かしさ以外の感情が芽生えるんだなと、子守りの最中に思いふけりましたとさ。